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第7章 アーティファクト


1.アーティファクト作成の目的
 主にミスティックアーツの力が封じ込められたものをアーティファクトと呼びます(中にはそうでないものもあるということです)。アーティファクトの製作には主に以下のメリットがあります。

@術者以外がその能力を使えるようになる。
Aミスティックアーツそのものを使うよりも扱いが容易になる。
B比較的簡単に複合術をもちいて強い力を生み出せるようになる。

 GMはPCにアーティファクトの作成を許可するかどうか決めてください。許可しない場合、アーティファクトはGMが登場させるもののみが問題となるので、プレイヤーがこの章のなかで読まなければならないのはアーティファクト使用に関するルールのみとなります。


2.アーティファクト作成の手順
 アーティファクト作成に必要な基本的手順は以下の通りです。
@設計
 まず、どのような用途に使うアーティファクトを作るのか、そのためにどのような術を用いるのか、形状はいかなるものなのかを決めなければなりません。慣れないうちはあまり多くの機能を持たせず、一つの行動を増幅することに専門化したアーティファクト製作を心がけたほうがよいでしょう。

例:達人の誉れ高い幸徳子(こうとくし)が知り合いに頼まれて武器を作ることになりました。彼は「武器であればより遠くの敵に強力な攻撃を仕掛けられるものがよいだろう」と考え、霊術の<霊撃><強化>、空術の<射程延長>を封じることにしました。形状は剣に決めます。

A技術
 設計が済んだら次は必要な技術のチェックに入ります。必要なミスティックアーツを修得しているのはもちろんのこと、アーティファクト作成には芸術系・技術系技能も必要になります。ミスティックアーツの力は「世界の無意識的意識」(「そういう形をしているものはそういう能力を持っていなくてはならない」という常識の力)から抵抗を受けるので、それを逸らすために意匠に工夫が必要なのです。適当な技能で判定をし、その成功度の2倍が封じられるミスティックアーツのパワーレベル上限になります。ミスティックアーツを封じた品物が単なるアイテムではなく「アーティファクト」(美術品・工芸品)と呼ばれるのはこのためでもあります。
 それぞれのミスティックアーツを封じるには技能判定が必要です。一つ封じるごとに−3の修正がつきます。

例:幸徳子は<彫刻>を18レベルで修得しています。もし彼がサイコロで10の目を振れば封じることのできるミスティックアーツのパワーレベル上限は16ということになります。それとは別にミスティックアーツを封じるための判定も必要です。封じるのは霊術の<霊撃><強化>、空術の<射程延長>で計3つ。修正は−9です。それぞれの技能に−9の修正を受けた技能判定に成功しなければなりません。

B材料
 技術のチェックが終われば次は材料集めです。龍の鱗、河童の爪、ミスりル銀、ケルンゴームなど、謎に満ちた素材を必要とします(これも世界からの抵抗を回避するためです)。これらの素材はゲーム的には「マテリアルポイント」として扱われ、封じるパワーレベル1につき1点が必要です。普通は冒険を通じて入手します。購入する場合、値段はあってなきがごとしですが最低でも1ポイント当たり¥10万は必要です。
こうして得た素材は<錬金術>技能を使って精製する必要があります。1日で精製するならばマテリアルポイント3点につき−1の修正を受けます。
 GMはマテリアルポイントをただ数字の上で処理するだけではなく、アーティファクト作成に特定の材料がいることにしたり、用いることによって特殊な付加価値を追加するマテリアルを設定したりしてもよいでしょう。

例:幸徳子は使用者のことも考えて(あまり高いパワーレベルを持つアーティファクトは使用者に負担を強いるのです)パワーレベル10で各々を封印することにしました。必要なマテリアルポイントは10+10+10で30。部屋の中をさがして25点ぶんの素材を集めたところで幸徳子ははたとあることに気づきます。<強化>で体力が10も上がった人間の力に果たして今ある素材で作った剣が耐えてくれるでしょうか。そこで
彼は最も硬い幻の鋼といわれるダマスカス鋼を5点ぶん入手して加えることにしました。これで耐久力の問題はクリアされ、製作に支障はなくなります。のみならず特殊効果としてダメージに+3のボーナスがつくことになりました。

C時間
 上記の過程を完了すればついに製作に入ります。理論上、高い技能レベルさえあれば1日にして作り上げることも可能ですが、殆どの場合はそうもいかないでしょう。マテリアルの精製、ミスティックアーツの封印の段階でそれぞれどのくらいの時間をかけるのかを決めます。下の表を参照して下さい。製作期間は1日8時間を費やしているものとします。

費やす時間 修正
1日 なし
1週間 +1
1ヶ月 +2
3ヶ月 +3
半年 +4
1年 +5
4年 +6
10年 +7
+10年ごとに +1

 通常のキャンペーンではどんなに頑張ったところで1年以上をアーティファクト製作に費やすのは困難でしょう。GMはキャンペーンの種類によって費やす時間とボーナスの関係を変えても構いません。「高速で精製可能でミスティックアーツを吸収しやすい」といったマテリアルを登場させるのもひとつの手段です。
 また、この時点で「使用者の条件」を決めることができます。「哲学を同じくするもの」、「合い言葉を知っているもの」などが一般的ですが自由に決めて構いません。ただしGMがそれを認めることが条件になります。便利な使い方のできる条件設定認めるべきではないでしょう。を

例:幸徳子がアーティファクトの製作に入ります。製作にかかわる彼の技能は<霊撃>22、<強化>21、<射程延長>20。そして<錬金術>は24レベルです。封じるミスティックアーツ技能は3種類なので修正は−9。目標値は13、12、11。少し心許ないので半年をミスティックアーツ封印に費やすことにします。これで目標値は17、16、15となります。封印はかなりの確率で成功することでしょう。一方素材の精製にかかるペナルティは30÷3で10。目標値は14になります。かなりの確率で成功するはずですが、精製に失敗すると貴重なマテリアルポイントが無駄に失われてしまうので万一を考えて3ヶ月をマテリアル精製に費やすことにします。
 9ヶ月後、剣は無事に完成しました。「摘斗」という銘を与えて知り合いに贈ります。能力を発動できるのはこの銘を知っているものだけです。

サンプルアーティファクト「摘斗」
プライムパワーレベル*:10
アーティファクトレベル*:30 
形状:意匠の凝らされた中国風の剣(超高品質のブロードソードとして扱う。材質と技術でダメージ+5)
製作者:「淀まざる者」幸徳子
条件:<哲学/道教>、銘を知っていること
能力:@攻撃するときに体力+10、A<霊的障壁>に対するダメージ+10、B11へクス(剣の到達距離1+<射程延長>による10へクス)を隔てた斬撃。
必要エネルギー:@ABの能力一つごとに4点疲労(2つ以上は余分な1つごとに<アーティファクト使用/摘斗>技能に−3)。すべてを使うときは10点。(技能−9判定)複数回攻撃をするときは2回目以降は−3ずつのペナルティ。
最低取引価格:¥1億9000万

*プライムパワーレベル:アーティファクトに封じられているミスティックアーツで最大のパワーレベル。
*アーティファクトレベル:アーティファクトに封じられているパワーレベルの合計。


3.アーティファクトの使用
@技能の修得
 アーティファクトの使用には<アーティファクト使用/種別>(アーティファクトごとに別々に取得)が必要です。普通、技能なし値は「知力−7」、「精神/難」の技能です(つまりミスティックアーツそのものよりも修得は簡単。ただし記憶力はレベルぶんのボーナスがあるだけです)。また、前提としてアーティファクト製作者と同じ種類の<哲学><神学>を修得していることが求められます。ミスティックアーツにとってはイメージが重要なので大きな世界観の食い違いは避けなければならないのです。能力の発動にはミスティックアーツ技能ではなく、この<アーティファクト使用/種別>技能を使います。この技能の上限は各々の<哲学><神学>技能レベルです。

Aアーティファクトの使用
 <アーティファクト使用/種別>技能をミスティックアーツ技能の代わりに使うことを除けばあとは基本ルール通りです。ただし、アーティファクトの使用には膨大なエネルギーを消費します。一度使用するごとに「使用する能力のパワーレベル合計÷3(端数切り上げ)」疲労します。この疲労は生命力で代用可能です。
 必要エネルギーは技能レベルを上げれば減少させることができます(15レベルで1点減少。3レベル上昇するごとに1点減少) 

Bアーティファクトの入手
 殆どの場合は自分で作るか、冒険で手に入れるか、結社からの支給を受けるかでしょう。稀に金銭で購入するチャンスがあるかもしれませんが、その殆どには途方もない値段がつけられています。最低取引価格は「¥(プライムパワーレベル^3+アーティファクトレベル^2)×10万」です。これだけでも普通のキャラクターにとっては購入が非現実的な値段ですが、実際の市場ではこの10倍以上の値段がついていることも珍しくありません。よほど富裕なキャラクターでないと購入は難しいでしょう。


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